「STUDIOで作ったサイトを、HTMLとCSSで書き出してWordPressに持っていきたい」。WordPressへの移行を考えたとき、まず思いつくのがエクスポートです。
結論から言うと、STUDIOには、ページやデザイン、ソースコードをエクスポートする機能はありません。ただし、「エクスポートできない」ことは「移行できない」ことではありません。この記事では、STUDIOから持ち出せるもの・そのままでは持ち出せないものを項目ごとに整理し、WordPressへ移す現実的な方法を解説します。
※ STUDIOの公式ヘルプでは、サービス名が「Studio」と表記されています。この記事では「STUDIO」と表記します。
この記事のまとめ
- STUDIOには、ページ情報・デザイン・ソースコード・CMSのデータをエクスポートする機能がありません(公式ヘルプより)。
- フォームの回答はCSVでダウンロードできます。独自ドメインは、もともと外部のサービスで管理しています。
- ページの見た目は、公開中のページ(ブラウザに表示されているもの)から取り込めます。難しいのは、取り込んだものを「WordPressで編集できる形」にすることです。
目次
公式ヘルプの結論:ページ・デザイン・ソースコードは書き出せない
STUDIOの公式ヘルプでは、CMSのデータを書き出す機能は提供しておらず、「ページ情報、デザインやソースコード」もエクスポートできないと案内されています(Studio Help「CMS記事などのStudioのサイトデータを他のプラットフォームへ移行するためエクスポートしたいです」。ヘルプの最終更新は2026年3月23日、2026年9月29日に確認)。
有料プランでHTML・CSSをZIPで書き出せるWebflowとは違い、STUDIOの管理画面から「ファイル一式」を受け取ってWordPressに置く、という移し方はできません。
項目別:持ち出せるもの・持ち出せないもの
| 項目 | STUDIOから持ち出せるか | WordPressへ移す方法 |
|---|---|---|
| ページのHTML・CSS | 書き出す機能はない | 公開中のページをもとに作り直す、または取り込む |
| デザイン(レイアウト、端末ごとの表示) | 書き出す機能はない | 同上。PC・タブレット・スマホそれぞれを確認する |
| CMSのデータ(記事など) | 書き出す機能はない | 公開中の記事を見ながら、WordPressの投稿として作り直す |
| フォームの回答 | CSVでダウンロードできる | CSVを保管し、WordPressでは新しいフォームで受け付ける |
| 独自ドメイン | STUDIOはドメインを販売していない(外部のサービスで管理) | DNSレコードの向き先をWordPressのサーバーに変える |
| フォント(TypeSquare・モリサワなど) | STUDIOを通して提供されているもの | 自分でフォントサービスを契約するか、近いフォントに置き換える |
画像は、制作に使った元のデータが手元にあれば、それを使うのが確実です。ない場合は、公開中のページに表示されている画像を取り込みます。
「エクスポートできない」は「移行できない」ではない
STUDIOのページも、公開されている以上、ブラウザの中ではHTMLとCSSで表示されています。WordPressへ移すときの材料は、この「ブラウザに表示されているページ」です。
ただし、ブラウザの「ページを保存」で保存したHTMLをWordPressに置けば済む、というほど単純ではありません。WPSitePortの開発で確認した、STUDIOの公開ページの特徴を紹介します(2026年9月時点)。
開発で確認したSTUDIOのページの特徴
- ページはブラウザの中で組み立てられる:サーバーから最初に届くHTMLには、ページの中身がほとんど入っていません。JavaScriptが動いてから、ページが表示されます。HTMLを取得するだけのツールでは、中身を取り込めません
- スタイルは、要素ごとに自動で付けられた名前に対して書かれている:人が読んで直すことを前提にしたCSSではないので、そのまま持ってきても、あとから手で直すのは大変です
- 画面に入ったときに読み込まれる画像がある:一部の背景画像は、その要素が画面に入ったときに読み込まれます。スマホの幅でだけ使われる背景もあるため、画面幅ごとにページを最後までスクロールしないと、すべての画像がそろいません
- スクロールで表示される要素は、最初は見えない状態:スクロールに合わせて表示される要素は、表示される前は透明になっています。そのまま保存すると、見えない要素が残ります
- 表示されている画像は縮小版のことがある:画面幅に合わせて縮小された画像が表示されていることがあり、元の画像とは縦横の比率がわずかに違う場合があります
WPSitePortでは、PC・タブレット・スマホの3つの画面幅で、実際のブラウザでページを最後までスクロールしてから読み取り、画像やフォントのファイルをWordPressに保存します。
本当に難しいのは「編集できる形」にすること
見た目をコピーするだけなら、取り込んだHTMLとCSSをそのまま表示すれば、近いものは作れます。しかし、それでは移行したあとに文章を1行変えるだけでも、HTMLやCSSを直接触る必要があります。
WPSitePort 開発者に聞きました
どの部分の自動化が最も難しかったですか?
一番難しかったのは、見た目をそのままコピーすることよりも、見た目を維持したままWordPressで編集できる構造に変換することです。
HTMLとCSSをそのまま持ってくるだけなら、比較的単純です。ただ、それでは移行後にHTMLやCSSを直接触らないと変更できなくなってしまいます。例えば、画面上では同じように見えるレイアウトでも、サイトによってHTMLの構造やCSSの指定方法はかなり違います。
そのため、
- これは見出しなのか
- これは画像と文章の横並びなのか
- これは複数の要素をまとめたセクションなのか
- スマートフォンではどのように並び替えるべきなのか
といったことを判定して、WordPress上で扱いやすい構造へ置き換える必要があります。単純なコピーではなく、元のサイトの構造をある程度理解して変換する部分が、一番難しいところでした。
WPSitePortでは、STUDIOのページを、端末ごとのスタイルを持つ要素に組み直して取り込みます。文字はダブルクリックで書き換え、色や余白はパネルで変えられるので、HTMLやCSSを直接触らずに編集できます。STUDIO以外のサイトは、元のHTML・CSSを保ったまま見た目をそのまま複製し、エディタでの変更をその上に重ねます。どちらの方法になるかは、ページを見て自動で決まります。
コピーしたあとのレポートで確かめられること
WPSitePortは、コピーが終わると次の内容をレポートに表示します。「エクスポートできないページを、どこまで取り込めたか」を、自分のサイトで確かめられます。
- 見た目の一致度:コピー元とコピー後のページを、PC・タブレット・スマホの3つの画面幅で比べた結果
- 取り込んだファイル:画像・フォント・CSS・動画を取り込めたかどうか
- 内部リンク:WordPress側のアドレスに書き換えたリンクの数
- フォント:近いフォントに置き換えたフォント
- 確認が必要な項目:外部の埋め込みやフォームなど
無料版でも1ページをコピーしてレポートを見られるので、まずはいちばん作り込んだページで試してみてください。
持ち出せないものは、こう移す
CMSの記事
STUDIOのCMSは書き出せないため、公開中の記事を見ながらWordPressの投稿として作り直します。作業の前に、記事の数、URLの形(例:/news/記事の名前)、カテゴリー、公開日を一覧にしておくと、WordPress側で同じURLにしやすくなります。
フォント
TypeSquareやモリサワなど、STUDIOを通して提供されているフォントは、WordPressへ移したサイトでそのまま使えるわけではありません。同じフォントを使うにはフォントサービスを自分で契約し、近いフォントで代用する場合は、文字の幅の違いに注意します。
WPSitePortの開発中に、実際のサイトの文章で文字の幅を測ったところ、「palt」(約物やかなを詰める設定)を使ったゴシック体の代わりには、Google Fontsの日本語フォントの中ではNoto Sans JPが最も近く、幅の差は2〜5%でした。paltが効かないフォントでは8〜12%広がり、見出しの改行位置が変わりました。
フォームの回答
過去の回答は、フォームダッシュボードからCSVでダウンロードできます(Studio Help「フォーム回答管理:ダッシュボードでの管理」)。WordPressでは、新しいフォームで受け付けます。
独自ドメイン
STUDIOはドメインを販売していないので(Studio Help「Studioでドメインを購入できますか?」)、ドメインはもともと外部のサービスで管理されています。そのサービスでDNSレコードをWordPressのサーバーに向ければ、同じドメインで公開できます。手順と注意点は、STUDIOを解約してもサイトは残せる?で紹介しています。
WPSitePortを無料で試す
無料版は登録なしでダウンロードでき、1ページのコピーと、ビジュアルエディタでの編集をお試しいただけます。コピーしたあとのレポートで、見た目の一致度も確認できます。
この記事は、WPSitePortの開発元である株式会社InfraAcademyが作成しました。各サービスの仕様は、2026年9月29日に公式ヘルプで確認した内容です。
